離婚のある人生ない人生
シングルマザー5年目くらいになっても自分が恥ずかしく、自分からプライベートな話は一切しないという武装をしていた。会社での人間関係はドライだったので、私が話さなければ聞かれることもなく、そんな自分には好都合の環境。無言という嘘で塗り固めていた。「あの人ああだから、離婚されちゃったんだよね」と陰で言われていないだろうか。そんなことを恐れていた。
ある時、一緒に仕事をすることになった職場の先輩が、「かやちゃん、お子さんいらっしゃるんだってね!?」と声をかけてきて、「はい、でも私、実はバツイチなんです」と言ったとき。「そうなんだ!私もバツイチだよ!一緒だね。うちの会社多いよ。あの人もあの人も・・・」と言われたとき、私はなんだか脱力してしまった。なんだ、私の離婚は恥であり、隠すべきものと思っていたけれど、それは違うのかもしれない、と。その先輩は背が高くてかっこよく、さらにかわいい。仕事もできて、リーダーシップもあり、私はすてきな人だなあ・・・とあこがれていたのだ。なんであなたのような素敵な方が?その時私はそう思った。今では思う。素敵な女性だから離婚しない人生になるのではない。ダメな女性だから離婚する人生になるのではない。そんなの当たり前じゃないか、と。結婚は相手あってのものだから、原因を自分だけにして論じるのは無理がある。