拍手の波を体に浴びて

辻井伸行さんのコンサート。
コロナ前から何度かチケット申し込みを試みていましたが、Webサイトにアクセスできずそのまま完売だったり、
申し込めても抽選落ちが続きました。これは・・・関東以外に行くしかないのか?と思ったことも。

そして2022年の夏に一度、抽選に当たりましたが、まさかの家族の新型コロナ感染。私は「濃厚接触」で行くことができず、今回やっと行くことができました。

実は、このチケット絶対取れる自信があったんです。今日は、亡き父の(戸籍上の)誕生日だったから。
子どもの頃、そして学生になってから、何回か父は私にクラシックのコンサートに連れて行ってくれました。
当時はありがたみもなく、行っても寝てたりして、申し訳なかったなと今更になって思います。

辻井さんの音は、ピアノが木でできていること、を実感させられるような温かみのある音でした。
最初の曲「テンペスト」が聴けただけでも満足でしたが、アンコールは4曲も弾いてくださいました。
父が調律を終えた後によく弾いていた「主よ人の望みよ喜びよ」が聴こえてきたときは鳥肌が立ちました。
そして、もうこれで終わりかなと思ったら、最後はなんと「ラ カンパネラ」

鳴り止まない拍手を気持ち良さそうに全身で受けている姿が印象的でした。
拍手の音が波のように体を突き抜け、体を揺らしているんだろうな。

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