この世界のどこかに、あなたの仕事で安心する人がいる

コーチング一本で独立をしないんですか?とたまに聞かれるけれども、私はできるところまで、今の医薬品関係の仕事とコーチングの仕事を両立していくつもり。理由はいくつかあるけれど、純粋に、どちらの仕事も好きでやりがいがあるから。仕事がたのしいと思えるのは本当に幸せで、そう感じられるのはかつて会社でしょっちゅう先輩に怒られ、いつまでもパッとしない人事考課、「ダメな社員」時代に苦しんでいたからこそ。

出社してメールを開くと、ほぼ必ずお叱りメールが届いているので、マウスを持つ手が震えたりってこともあった。ただ当時は、小さな子どもを抱えるシングルマザー。「仕事を辞める」などという選択はそもそも存在しておらず、ある意味覚悟を持って仕事をしていた。パッとする成果はなかったが、いつしか私も経験が蓄積されてきた。そしていろんなひとの優しさもあり、その会社には10年以上勤めることができた。

もうひとつ、働き続けることができた理由があるとしたら、この仕事のむこうにいる人たちのことを忘れなかったから。私は医療用医薬品について、データをクリーニングしたり、管理したり、解析結果をみて文章におこす仕事をしていた。その薬を使う患者さんに会うことはない仕事だが、目の前のデータの向こうには必ず患者がいる。それがいつも頭にあったから、この私の地味な作業が、世界の誰かのためになるのだと信じられた。

今は同業他社に転職したけれども、今は仕事は楽しいと思えている。この日は、ちょっとした一区切りの日。大事な資料を郵送提出するために久しぶりに社外へお出かけ。ここは東京。日本のどこかで、いや世界のどこかで、この薬で少しでも誰かが安心できるなら、私は本当に生きていてよかったと思う。どんな仕事とも、誰かの安心や喜びにつながる。

あなたの仕事は、誰を安心させる?その人の存在をぜひ感じてみてください。それがどんなに遠くの存在でもかまわない。どんなにあたりまえのことでもいいのです。

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