自分の臓器を見たらガラリと気持ちが変わった話

あんなに、手術はイヤ、薬物療法はイヤだと、卵巣嚢腫に対するほぼ全ての治療法を拒否していた私ですが、手術を受けてみたら、「なんだ、早くやればよかった」と思っています。なんでこんなに変わったのかと言うと、腹腔鏡手術での写真を見せてもらったのがきっかけです。写真はとってもリアル。公に掲載するのはさすがにやめておきますが、チョコレート嚢胞のリアルな写真と、その中身の写真を見たら、さすがにうわあああ・・・やっぱり手術して取ってもらってよかったと思いました。

卵巣癌に移行してしまう確率は低いとしても無視できない。でも、チョコレート嚢胞とはいえ、それは間違いなく私の臓器の一部であるから、大事に共存していきたいなという気持ちはあったけれども、いざ写真をみたら、「これが癌です」と言われても納得してしまうような風貌でした。臓器を見ることで、ガラリと思いが変わりました。

手術完了時の写真を見ると、正常な部分の卵巣は白く、子宮はピンク色。ああ、ここで10か月、娘が育ったのか・・・と思うと、感慨深いものがありました。素人の目でも、きれいに手術してくれたのがわかって、うれしい。切除した部分は生検に回す前に見せてもらいました。麻酔から目覚めたばかりで、頭はあまりはっきりしていなかったけれども、見た瞬間、「ああ・・・これまでがんばってくれてありがとう」という気持ちになりました。喪失感で悲しくなるのかと思ったら、そうではなかった。もちろん、左右とも一部残すことができたというのも大きいですが、こういう気持ちになるということ、少しは成長したのかもしれません。

次は1か月後に受診です。たぶんそこから、再発防止のためにホルモン剤を使うことになりそうです。更年期症状も出るかもしれない。「体調不良」が普通になるんだろうか。そしたら、誰かと「体調悪くてさー」とおしゃべりしたいな。薬剤師として働いていた時、患者さんの「体調悪い」っていう不定愁訴の話、結構私は聴くのが好きだったのです。そして、これまでよりはもっと自分の体を気にかけることができるかもしれない。

帰宅したら、京都に住む友人からお手紙が来ていました。カードと、以前私が他の友人に送ったカレルチャペックのお茶が入っていました。

A calm heart gives life to the body(穏やかな心は体に良い)

そうね、怒涛のような30代だったから、40代後半からはもう少し穏やかに生きたいね。(本当?)
どちらにせよ、たくさん仕事して、たくさん遊ぶのが私の理想の生き方です。